Ryo Koizumi / 小泉 遼

小泉遼は福島県を拠点に活動し、禅、円相、後光のような東洋的な思想を⻄洋的な要素である油彩で表現し、東洋的美学と現代的表現が調和した独特な魅力を披露する作家である。意識と無意識の狭間で生まれる模様や色彩の積み重ねを通じて、絵画が自己を投影する「窓」となることを探求している。2019年より制作を続ける「enso」シリーズは、禅の書に見られる円相や曼荼羅、枯山水の砂紋など、東洋的な思想を基盤としている。「Halo」シリーズでは、⻄洋絵画の伝統的な技法であるグレージングを駆使し、透明度の高い油絵具を何層にも重ねことで、奥行きのある色彩を生み出した。それにより、図と地の境界が曖昧になり、反復される模様の一つ一つに微妙な差異が生まれ、そこに人の存在の痕跡すらも表現しようとする。「私は何度も絵具を積み上げます。規則性と偶発性、色彩の要素を通じて光を絵画に閉じ込めます」と語る小泉は、規則的な反復と偶然性の中で光の神秘的な動きを描き出し、観客に無限の秩序と驚異を感じさせる。

Ryo Koizumi is an artist based in Fukushima Prefecture who expresses Eastern philosophies such as Zen, Enso, and halo motifs through the Western medium of oil painting. His work harmonizes Eastern aesthetics with contemporary expression, showcasing a unique and captivating appeal.He explores how a painting can become a “window” that reflects the self through the accumulation of patterns and colors emerging from the boundary between consciousness and the unconscious. The “Enso” series, which he has been creating since 2019, is rooted in Eastern philosophy, drawing inspiration from Zen calligraphyʼs enso, mandalas, and the sand patterns of Karesansui (dry landscape gardens).In the “Halo” series, he masterfully employs the traditional Western painting technique of glazing, layering highly transparent oil paints to create rich, deep colors with a sense of depth. As a result, the boundary between figure and ground becomes ambiguous, and subtle variations emerge in each repeated pattern, attempting to express even the traces of human presence. “I repeatedly build up layers of paint.
Through elements of order, chance, and color, I capture light within the painting,” says Koizumi. By depicting the mystical movement of light within structured repetition and spontaneity, he evokes a sense of infinite order and wonder in the viewer.

1985년 후쿠시마현 출생. 료 코이즈미는 2016년부터 캘리그라퍼로서 활동하였으며 2019년에 캘리그래피의 기본선을 원형으로, 연속적으로 그리는 “enso” 시리즈를 회화로서 발전시켜, 본격적으로 아티스트로서 활동을 시작했습니다. “enso” 시리즈의 선의 원상은 공허, 통합, 무한, 깨달음의 경지 등을 나타내고 있지만, 해석은 보는 사람에게 맡겨져 보는 사람의 마음을 비춥니다. 원시적인 기호를 반복함으로써, 추상과 구상이 모호해져 가는 우리의 세계감을 나타내고 있는 것처럼 보입니다. 2021년부터 제작한 “Halo”(후광, 광륜) “Halo” 시리즈에서는 색채의 우발성을 도입해, 공중에 보이는 빛의 순수한 시각 이미지를 추상화로서 캔버스에 존재시켰습니다. 코이즈미는 빛을 회화에 가두어 사람들에게 힘과 온기를 전달하려고 하는 것처럼 보입니다.

“저는 작품과 대화하면서 여러 번 페인트를 쌓아 갑니다. 그리고 규칙성과 우발성 , 색채라는 요소로부터 그림을 통해 빛을 표현하고 있습니다. 작품과 대면하는 것으로 , 감정에 일하는 힘을 느끼고 싶다고 생각합니다 . “

<2023 년 7 월 9 일 매일경제 지면 기사 발췌 中>

둥근 원(圓)은 가장 오래된 원시적 기호다.
하나의 점으로부터 같은 거리에 놓인 점들의 집합인 원은 고대 이후 가장 완벽한 형태로 여겨졌다.
료 코이즈미는 하나의 점으로부터 펼쳐지는 선으로 형상을 그린다.

“나는 몇 번이고 물감을 쌓아 올린다.
규칙성과 우발성, 색채라는 요소를 사용해 빛을 회화에 가둔다.”

료 코이즈미 작품은 종교적 원상(圓相)에서 착상을 얻은 작품이 다수다.
후광을 뜻하는 “할로(Halo)” 시리즈는 먼곳에서 다가와 산란하는 빛을 바라보는 정동(情動)을 보는 이에게 안긴다.
무한히 반복되는 동작을 통해 원의 질서를 형성하는 이 작품은 충분히 종교적이다. 물감으로 표현하는 반복과 규칙의 형상은 바라보기만 해도 보는 이에게 경외감을 준다.

西村智弘 (美術評論家)
小泉遼は、画家として少々変わった経歴の持ち主である。小泉は十年ほど庭師をしたあと、カリグラフィーを経て絵画に向かっている。とくに庭師の経験は、原点的な意味をもっていたようだ。彼は、西洋の芸術や思想から影響される一方、東洋思想、とくに禅から影響を受けている。日本庭園は禅の考えで作庭されることが多いが、庭師の経験が禅との接点をつくっていた。
もうひとつ、小泉の絵画を考えるうえで重要な出来事は 2011 年の東日本大震災である。当時、彼は福島にいて庭師をしていた。震災を目の当たりにした彼は、死を身近なものに感じるようになり、そこから生の意味を問い直すようになった。表現の可能性を模索するなかで出会ったのがカリグラフィーである。
カリグラフィーとは文字を美しく見せる技術だが、小泉が魅了されたのは無心に線を引くことだった。本来、禅とは悟りを得るための修行である。繰り返し線を描く作業は、禅の修行と重なるところがあり、自分の本質や存在を見つめることにつながった。内省を深めた結果、線を描くことが表現としての強度をもつようになり、それが絵画に発展している。
小泉が手がけた〈enso〉〈Halo〉〈Locus〉シリーズのうち、〈enso〉が原型になっている。〈enso〉は、丸を一筆で描いた禅画の「円相」から着想を得ていた。作品ごとに色はあってもすべて単色なのは、円相が墨一色であることに基づく。円相は、悟りや真理などの象徴といわれる。始まりも終わりもなく、角に引っかからない線は、仏教が教える捉われのない心、執着からの解放を表わすともいう。また、円窓と書いて「己の心を映す窓」という意味で用いられることもある。〈enso〉は自身と向き合い、己を見極めるための絵画でもあった。
〈enso〉では、カリグラフィーの基本形を反復して円環構造をつくっている。 厳格な制作プロセスに基づくが、ここには偶然性が大きく関与していた。手描きである以上、同じ形を描いても線がブレて微妙なズレが生じてしまう。小泉は、意図を超えて生じてしまう偶然的な差異に表現の根拠を見いだした。ここからわたしが思い出すのはエリック・サティの《ヴェクサシオン》である。ごく短いフレーズの曲だが、840 回繰り返すように指定されていた。音楽家のジョン・ケージが 1963 年におこなった初演は 20 時間かかったという。しかしケージは、「二度と同じ演奏はなかった」と語っている。演奏者が疲れたりミスをすることで、偶然的で微妙な差異が生じてしまい、これが反復に変化を与えていた。ケージの発想は禅から影響を受けているだろう。かつて彼は鈴木大拙の講義に通い、禅を学んだ経験があった。
ジャンルは異なるが、小泉とケージには反復と差異をめぐる共通した美学がある。小泉に特徴だったのは、反復が自己を反省する行為と結びついたことである。反復に差異が生じるのは、描くことが身体的な行為だからである。小泉は、身体が不可避的に引き起こしてしまう偶然的な差異に、今ここにしかない自身の痕跡を見いだした。小泉の方法はきわめて禅的である。自己が消滅したところに己を見いだしているからである。いわば彼は、自我ではなく無我を形にしていた。
〈Halo〉は後光や光輪を意味する。円のモチーフは〈enso〉を連想させるが、単色の〈enso〉に対し〈Halo〉では色彩の豊かさが追求されていた。また、〈enso〉が自己に沈潜する内向性をもつのに比べると、〈Halo〉は他者に開かれた外向性が認められる。鑑賞者は、絵画に向き合うことで光のなかに入っていく。〈Halo〉は体験する絵画であって、光自体を身体的に感じることが求められている。
〈Locus〉は「軌跡」という意味だが、自分を形成してきたものの軌跡を振り返る作品でもあろう。対立的な要素が混在し、画面のなかで拮抗している点に特徴があった。画面の背後には、〈enso〉を思わせる同心円が描かれている。左端にはカリグラフィーの激しい筆致が描かれ、この動的なイメージに対し、右端には規則正しく描かれた垂直のラインがスタティックに存在する。この垂直線は、背後の円形のフィールドを分割ないしは結合していた。
さらに、〈Locus〉には抽象表現主義のイメージが重ねられている。左側の激しい筆致はアクション・ペインティング、右側の垂直線はバーネット・ニューマンの「zip」を連想させる。アクション・ペインティングとカラーフィールド・ペインティングという抽象表現主義の対照的なスタイルが対比されていた。ここには欧米の現代美術、とくにモダニズム絵画についての考察がある。〈Locus〉には、東洋と西洋、静と動、グラフィックとファインアートなど、さまざまな要素が対比されている。小泉は、自分のなかに見いだされる矛盾をさらけだしているようだ。しかし彼の目的は対立を示すことではなく、矛盾する要素をありのままに引き受けることで、対立を超えた何かを生みだすことにあるだろう。
小泉の絵画の特異性は、従来の絵画の価値観と異なるところで表現を模索していることにある。一見すると静謐な画面には、規範的な絵画の枠に収まらない大胆さがある。小泉は東西の芸術を融合しつつ、絵画の可能性を静かに切り開いている。


RYO KOIZUMI

Born in 1985, Fukushima, Japan
Graduated from Ibaraki University

CV

2025
「ReconstructionSolo Exhibition」(SH GALLERY,Tokyo, Japan)
FOCUS Art fair (Saatchi gallery/ London, United Kingdom
Kiaf SEOUL 2025(COEX, Seoul, Korea)
Group Show | OIL SELECTION (Oil by 美術手帖gallery, Tokyo, Japan)
「Art Fair Tokyo 2025」(SH GALLERY / Tokyo, Japan)
「A RAY OF LIGHT Solo Exhibition」(SH GALLERY SEOUL, Seoul, Korea)

2024
artKYOTO2024 (Shosei-en, Kyoto, Japan)
Kiaf SEOUL 2024 (COEX, Seoul, Korea)

2023
「 Solo Exhibition BREATH」 (SH GALLERY SEOUL Seoul ,Korea)
「 1st GROUP EXHIBITION」(SH GALLERY SEOUL Seoul ,Korea)
「KIAF Seoul 2023」 (COEX 1F, Hall A&B, Grand Ballroom Seoul ,Korea)
「Hankyu Art Fair 2023」 (Hankyu Umeda Gallery Art Stage, 9th floor)
「 FURLA x Ryo Koizumi」(ISETAN SHINJYUKU store / Tokyo, Japan)

2022
「時代の一片/ Piece of the times」(Ginza Tsutaya GINZA ATRIUM)
「Solo exhibition, LOCUS」(SH GALLERY / Tokyo, Japan )
「ART BUSAN 2022」(BEXCO 1, Busan,Korea)
「ART Fair Tokyo 2022」( SH GALLERY/ Tokyo, Japan )

2021
FURLA collaboration event, ISETAN, Tokyo
Solo exhibition, LUMINOUS, SH GALLERY, Tokyo
ART FAIR ASIA FUKUOKA 2021, SH GALLERY, Fukuoka
Group exhibition, SH GALLERY GROUP EXHIBITION, SH GALLERY, Tokyo Group exhibition ,100nin10, Tokyo
Solo exhibition, en, Firsthand, Tokyo

2020
Solo exhibition, en, NFACES, Toyama
Solo exhibition, en, fons, Nagoya
PIERRE HERMExTara Jarmon collaboration event, PIERRE HERME PARIS Aoyama, Tokyo White atelier by CONVERSE collaboration
Chupa Chups Live paint, RELISHxCOIN PARKING DELIVERY, Shibiya109, Tokyo

2019
「Solo exhibition, en」(Revolution, Sendai ,Japan)
「dunhill collaboration event」, (dunhill Ginza, Tokyo , Japan)
「Solo exhibition, en, 」(ONIJUS COFFEE VILLAGE, Osaka ,Japan)
「GREENANDBLACKSMITH」 (LOBBY, Tokyo ,Japan)

2018
「NHK historical drama, SEGODON」,Title design


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